予約の受付期間と締切時間は、①何日先まで受けるか②開始の何時間前で締め切るか③キャンセルはいつまで受けるか、の3つを決めると判断の迷いが減ります。決め方の軸は、業種ごとの準備にかかる時間からの逆算で、決めた言葉は店頭と予約ページの両方に同じ形で出します。
この記事で分かるのは、予約をいつまで受けるかの線を、自分の店の準備時間から引き直す手順です。飲食店・美容院・宿泊の例を挙げながら、今の受け方を10項目で点検します。
「いつでも受けます」のまま運用していると、直前の電話が入るたびに受けるか断るかをその場で判断することになります。判断した本人は覚えていても、別の日に別のスタッフが電話を取ると答えが変わります。点検のあとは、○が付いた数に合わせて次の一手を示します。
目次
予約の締切時間を決めていないと、どこで手が止まりますか
電話と紙の台帳で予約を受けていると、締め切りの判断がその日の忙しさに左右されます。仕込みを終えた後に入った4名の追加を通すかどうか。指名のスタッフが上がった後の当日予約をどうするか。チェックインの直前に届いた1泊の依頼を受けられるか。そのつど考えていると、受けた日と断った日の差が生まれ、お客様には「前は受けてもらえた」と映ります。
手が止まる本当の理由は、判断の材料が頭の中にしかないことです。線が言葉になっていれば、電話を取ったスタッフもその場で答えられます。言葉になっていないと、オーナーに確認するまで返事ができず、折り返しの電話が1本増えます。
線を引く場所は、準備にかかる時間から逆算すると決めやすくなります。逆算するものは業種で違うので、まず自分の店で「間に合わなくなるもの」を1つ挙げてみてください。
| 業種 | 逆算するもの | 締め切りの置きどころ |
|---|---|---|
| 飲食店 | 仕込み・食材の手配 | 当日の受付を何時間前で止めるか |
| 美容院 | 指名スタッフのシフト | 先の上限をシフト登録済みの範囲に合わせる |
| 宿泊 | チェックインの受け入れ準備 | チェックイン当日の受付をいつ止めるか |
予約は何日前まで受けるか|先の期間を決める5項目
はじめに、遠い先の予約をどこまで受けるかを点検します。以下の5項目のうち、すでに決めてあるものに○を付けてください。数は最後にまとめて使います。
- 先の上限を、日数か月数で言い切れますか。「3か月先まで」「90日先まで」のように答えられる状態を○とします。決めないまま受けていると、半年先の団体の予約を受けた後で、その日に人手が足りるか分からない事態が起きます。
- 繁忙期と通常期で、上限を変えていますか。年末年始や連休は、通常期より早く埋まります。忙しい時期だけ上限を延ばす店は多く、同じ日数のままにしていると、常連の問い合わせに「まだお受けできません」と答える回数が増えます。
- 美容院なら、上限はシフトを登録済みの範囲に収まっていますか。指名のスタッフが出勤するかどうかは、シフトが決まるまで分かりません。シフトを組んでいる範囲より先まで受けると、後から担当の変更をお願いする連絡が必要になります。
- 宿泊なら、その日付の料金とプランを用意できていますか。先まで受け付けるなら、その期間の料金とプランの中身が決まっている必要があります。未定の日を開けたままにすると、予約の後で金額を伝え直すことになります。
- 先の予約の連絡先を、後から確認できる形で残していますか。半年先の予約ほど、当日までに電話番号やメールアドレスが変わります。紙の台帳に走り書きが残るだけだと、変更やお願いの連絡が届きません。
飲食店の場合、先の上限は「予約を受けた食材が手配できる範囲」で考えると決めやすくなります。コース中心の店なら仕入れ先に発注できる期間、単品中心の店なら席だけを押さえられる期間、というように、押さえるものの性質で長さが変わります。
予約は前日までか、当日も受けるか|締め切りを決める5項目
次は直前側の線です。ここも5項目で、決めてあるものに○を付けます。
- 開始の何時間前で締め切るかを決めていますか。正解の数字はありません。仕込み・準備・移動にかかる時間を数えて、その合計より短い時間の予約は受けない、という順で決めます。一度でも無理が出た経験があるなら、その時よりも長めに取り直します。
- 当日に回せる枠を、別に開けていますか。当日の予約を全部断ると、通りがかりの需要を逃します。当日でも回せる枠を最初から決めておき、その枠だけは直前まで開けておく形にすると、現場が崩れにくくなります。
- キャンセルはいつまで受けるかを決めていますか。受付の締め切りとキャンセルの期限は別物です。材料を発注した後に取り消されると損失になるので、発注のタイミングを基準に期限を置きます。
- 締め切り後に届いた連絡の返し方を決めていますか。断る場合の言い方と、例外を認める人・条件を先に決めておきます。「オーナーが在店していて、準備が間に合うときだけ」のように書いておくと、その場の空気で判断せずに済みます。
- 営業時間外に届いた依頼の扱いを決めていますか。夜や定休日の問い合わせは、翌営業日にまとめて返すのか、その場で受け付ける仕組みを置くのかで対応が変わります。予約の受付を時間外にも開くかどうかは、締め切りとは別に決めておく話です。時間外に来た予約の受け方は営業時間外の予約を取りこぼさない受け方で詳しく書いています。

10項目を見終えたら、○の数を数えてください。付かなかった項目が、今いちばん判断がぶれている場所です。
○が付いた数で、次にやることが変わります
0〜3個のとき。まだ全体の形が決まっていない段階です。一度に10項目を埋めようとせず、項目1(先の上限)と項目6(開始の何時間前で締め切るか)の2つだけを数字で決めます。この2つが決まると、電話口での返事がほとんど固まります。
4〜7個のとき。線はあるものの、伝え方が追いついていない段階です。決めた内容を文章にして、電話・店頭・予約ページの3か所で同じ言い回しに直します。
8個以上のとき。運用は固まっているので、設定として置き換える段階です。人が覚えて守るやり方から、締め切りを過ぎた枠が自動的に表示されない形へ移すと、判断の手間そのものが減ります。
どの段階でも効くのが、書いた言葉をそろえることです。店頭のPOP(貼り紙)に「当日のご予約は開始の2時間前まで」と出したなら、予約ページの注意書きも同じ文にします。POPに書く内容は、数字で言い切れるものだけに絞ると迷われません。「お早めに」「なるべく前日までに」といった言い方は、読む人によって受け取る幅が違い、結局は電話での確認を呼びます。
締め切りの告知は、間に合う時間を知らせる案内として書きます。「◯時間前までなら当日でもお受けできます」と出せば、受けられる範囲のほうが先に伝わります。
決めたルールは、店舗の予約システムの設定に置き換えられますか
紙と電話のままでも受付ルールは運用できますが、守るのは人になります。予約ページを持っていれば、決めた線をそのまま設定として置けます。
AIスマート予約では、何日先まで受け付けるか、開始の何分・何時間前まで受け付けるかを設定できます。キャンセル期限は、2時間前・6時間前・12時間前・24時間前・48時間前、または制限なしから選ぶ形です。任意の分数を打ち込む形ではないため、決めた時間にいちばん近い値を選ぶことになります。
業種ごとの補足もあります。飲食店では1枠あたりの最大予約数を設定できます。美容院ではスタッフの指名と、スタッフごとの休暇の設定に対応しています。ただしシフトを登録しないと予約を受け付けられないので、先の期間を長く開けるなら、シフトの更新も合わせて続ける必要があります。宿泊では、プランごとにチェックイン・チェックアウトの時刻と、キャンセル規定を設定できます。キャンセル規定はお客様への案内として表示されるもので、事前決済の仕組みは無く、キャンセル料が自動で請求されることもありません。
受付そのものは24時間開けておけますが、予約できる枠は店舗の設定に従います。営業時間、スタッフのシフト、何日先まで受けるか、締め切りをどこに置くか。これらを設定した範囲の中だけで枠が出て、予約は店舗が承認して確定します。「24時間受け付ける」と「何でも受ける」は別の話だと考えてください。
キャンセル期限を決めたら、予約日の前日にリマインダーを送る設定も合わせて見ておくとよいでしょう。オン・オフを選べる仕組みなので、期限より前にお客様が予定を思い出せる形になっているかを見直せます。
予約ページ自体をこれから用意する場合は、ホームページを持っていない状態からでも始められます。手順は店舗の予約システムはホームページが無くても始められるにまとめました。導入は、無料アカウントを作り、店舗情報と独自LPを設定し、予約フローと料金を決めて公開する流れです。この記事で決めた受付期間と締切時間は、3番目の「予約フローの設定」で入力する内容にあたります。
まとめ:受付ルールは、今日決める2つから書き換える
受付期間と締切時間は、完成形をいきなり作るものではありません。まず紙に、先の端(何日先まで受けるか)と直前の端(開始の何時間前で締め切るか)を1つずつ数字で書きます。この2行が、お客様への案内にも、スタッフへの指示にも、予約ページの設定にも、そのまま使えます。
書けたら、その文言を店頭と予約ページで同じ形に直してください。同じ言葉が両方に出ていれば、電話口で迷う場面が減り、締め切りを過ぎた相談も落ち着いて返せます。運用しているうちに無理が出たら、そのとき数字を書き換えれば十分です。
よくある質問
予約締切日は、お客様にどう伝えればいいですか?
予約ページの注意書き、店頭の貼り紙、電話で伝える一言を同じ文言にそろえます。「開始の◯時間前まで」「◯日先まで」と数字で書き切ると、読む人によって受け取り方が変わりません。
予約は何時間前で締め切るのが目安ですか?
正解の数字はなく、仕込み・準備・移動にかかる時間から逆算して決めます。締め切り後に受けた予約で一度でも無理が出たなら、その時間より長めに取り直してください。
当日の予約は受けたほうがいいですか?
受けるかどうかより、受ける枠を先に決めておくかどうかが分かれ目です。当日に回せる枠だけを残し、それ以外を締め切る形にすると、当日の予約を受けても現場が崩れにくくなります。
締め切りを決めたあと、例外の相談が来たらどうしますか?
例外を認める人と条件を先に決めておきます。「オーナーが在店していて、準備が間に合うときだけ」のように書いておくと、その場の判断に任せずに答えられます。
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