宿泊施設のプランがお客様に伝わらないのは、名前と料金だけで違いを見せようとしているからです。食事・特典・料金に含むもの・キャンセル規定を、どのプランも同じ順番の項目で書けば見比べられます。
この記事では、電話やメールで宿泊の予約を受けている旅館・民泊のオーナーに向けて、プランの違いが伝わらないときの直し方を、旅館と民泊の例を使って順にお話しします。食事の書き方、特典と料金に含むものの分け方、連泊や素泊まりの書き分けまで、明日から書き直せる形にまとめました。
目次
01 ASK宿泊プランの違いが伝わらないと、なぜ問い合わせが増えるのか
「夕食は付きますか」と同じ質問が何度も来るのは、お客様が予約の前に知りたいことが、プランの説明に書かれていないしるしです。
夕方、チェックインのお客様を迎えている最中に電話が鳴り、「この2つのプラン、何が違うんですか」と聞かれる。小さな宿なら、よくある場面ではないでしょうか。ページを見直すと、片方は「スタンダードプラン」、もう片方は「ゆったりプラン」。名前と料金しか載っておらず、違いは宿の人の頭の中にしかありません。
宿泊プランとは、同じ部屋に食事や特典などの条件を組み合わせた、売り方の単位です。お客様はプランを見て「自分たちに合うかどうか」を決めます。決めるための材料が足りなければ、予約の前に一度、宿へ聞くしかありません。問い合わせが増えるのは、お客様が慎重だからではなく、書いてあることが足りないからです。
言葉の意味 素泊まり食事が付かず、泊まるだけのプランのことです。料金は分かりやすい一方で、「朝ごはんだけ付けられますか」「近くに食べるところはありますか」といった質問につながりやすいプランでもあります。
電話やメールで受けていると、同じ説明を毎回口で伝えることになり、そのたびに手が止まります。同じ質問が何度も続いたら、それはプランの説明に足りない項目があるという合図です。問い合わせの中身を書き留めておくと、どこを書き足せばよいかが見えてきます。
よく聞かれる質問に前もって答えておく考え方は「AIチャット予約システムで電話の問い合わせを減らす」で、接客中でも予約管理をスマホで確かめるための通知の決め方は「予約が入ったのに気づかない」で紹介しています。この記事では、その手前にある「プランの説明そのもの」を直していきます。
02 PATTERN旅館や民泊のプランで、伝わらない書き方は3つの形に分かれる
伝わらないプランは、「食事の中身があいまい」「特典と料金に含むものが混ざっている」「同じ部屋のプランが並ぶだけで違いが見えない」の3つの形に分かれます。
まずは宿泊施設(旅館)の例です。同じ和室を「夕食付き」と「素泊まり」で売っているとします。「夕食付き」とだけ書いてあると、お客様には、お部屋で食べるのか食事処なのか、何時から始まるのか、子どもの分はどうなるのかが分かりません。素泊まりのほうも、朝食を足せるのかどうかが書かれていないと、やはり電話がかかってきます。
次に宿泊施設(民泊)の例です。キッチン付きの部屋を連泊向けに出していて、プランには「自炊OK・連泊におすすめ」とだけある。お客様は、食器や調味料はあるのか、食事は一切付かないのか、2泊目からの料金はどう変わるのかを知りたいはずです。書いた側には当たり前のことほど、ページから抜けやすいものです。
こうした「伝わらない」をよく見ると、次の3つの形に分けられます。
3つ目は、同じ部屋を2つ以上のプランで売るときに起きやすい形です。1つの部屋に食事の付け方を変えたプランをいくつか用意するのは、宿ではごく自然な売り方です。困るのは売り方ではなく、違いの書き方のほうです。同じ部屋を複数のプランで売るときの室数の数え方は、第4章でお話しします。
どの形も、直し方の根っこは同じで、「お客様が比べたいところを、比べられる形で並べる」ことです。予約ページ全体を点検したいときは「民泊の予約ページ点検10項目」もあわせて使えます。この記事のプランの書き方は、その点検の中の「プランで迷わせない」を深掘りしたものです。
03 ORDER宿泊プランの作り方|食事・特典・含むもの・規定を同じ順番で書く
どのプランも同じ項目を同じ順番で埋めると、お客様は見比べて、自分で選べるようになります。
部屋・プラン・室数がどうつながっているかという仕組みの話は「宿泊施設の予約システムの仕組み」でまとめました。ここでは、プランの説明文に何をどの順番で書くかに絞ります。
順番をそろえるのは、お客様が2つのプランを行ったり来たりしながら読むからです。同じ場所に同じ項目があれば、違うところだけが自然に目に入ります。書く項目と順番は、次の5つです。
- 1食事の有無と内容
朝食・夕食のどれが付くか、場所と時間、料理の例。付かないときは「食事なし」とはっきり書きます。 - 2特典
何が、いつ、誰に付くのか。「先着」「連泊の方のみ」などの条件もここに書きます。 - 3料金に含むもの・含まないもの
2つに分けて並べます。駐車場や入湯税など、当日に別で払うものは「含まないもの」へ。 - 4キャンセル規定
何日前から、どのくらいかかるのかを、日付の区切りで書きます。 - 5チェックイン・チェックアウトの時刻
プランによって時刻が違うときは、その違いが分かるように書き添えます。
いちばん問い合わせが多いのは、たいてい1つ目の食事です。宿泊プランの食事付きを書くときは「夕食付き」で終わらせず、「夕食:18時から食事処で、季節の会席」のように、場所と時間まで1行に入れておくと、電話で聞き返されることが少なくなります。宿泊プランの特典も同じで、「ウェルカムドリンク」なら、いつ・どこで出すのかまで書くと、料金に含むものとの区別がつきます。
連泊・素泊まり・食事付きの書き分けも、この5つの順番に乗せます。素泊まりなら1つ目に「食事なし(近くの食事どころは別にご案内)」、連泊なら1つ目に「毎朝付くのか、初日だけか」を書く、という具合です。項目を足すのではなく、同じ枠の中身を変えるだけなので、プランが増えても見比べやすさは変わりません。

左のように名前と料金だけが並んでいると、お客様は差額の理由を想像するしかありません。右のように5つの項目が同じ順番で並んでいれば、「この差は夕食の分だ」と自分で読み取れます。
※ キャンセル規定は、お客様への「案内」として書くものです。電話やメールで伝えている内容と、ページの文がずれないようにそろえておきましょう。
書き直すときは、全部のプランを一度に直そうとしなくて大丈夫です。いちばん予約の多いプランを1つ選び、5つの項目を埋めてみてください。そのプランがひな形になり、ほかのプランは中身を入れ替えるだけで書けるようになります。
04 SETUPAIスマート予約なら、プランの項目を埋める形で書ける
AIスマート予約の宿泊予約型では、プランごとに用意された項目を埋めていく形で、説明をそろえられます。
お客様は、チェックイン日とチェックアウト日、大人・子供の人数を選んで、空いているプランを探せます。そのうえで、プラン → 部屋タイプ → チェックイン・チェックアウトの日の順に選んでいく流れで、連泊・素泊まり・食事付きのプランに対応しています。お客様が最初に見るのがプランなので、プランの説明がそのまま「選ぶ材料」になります。
プランごとに設定できるのは、食事の有無と内容、特典、おすすめポイント(3つまで)、料金に含まれるもの・含まれないもの、キャンセル規定、チェックイン・チェックアウトの時刻です。第3章の5つの項目には、それぞれ入れる場所があります。おすすめポイントは、ほかのプランとの違いを短く言う場所として使う、という決め方もできます。
部屋のほうは、部屋タイプごとに室数・定員・写真・設備(禁煙、ペット可、キッチン、テラスなど)・基本料金を登録します。民泊のキッチン付きの部屋なら、キッチンは部屋の設備に書き、プランの説明では食事のことに絞る、という分け方ができます。部屋の話とプランの話が混ざらないので、2つ目の形(特典と含むものが混ざる)も起きにくくなります。
同じ部屋を複数のプランで売るときに心配なのが、売りすぎです。電話と手書きの台帳で受けていると、プランごとに空きを数えてしまい、同じ部屋に2組の予約を入れてしまうことがあります。AIスマート予約では、同じ部屋を複数のプランで売っても、室数は1つとして数えるので売りすぎません。
まだ予約ページを持っていない宿は、「店舗の予約システムはホームページが無くても始められる」で、予約ページの作り方から確かめられます。
宿を検索して見つけた人を予約ページへつなぐ入口は、「開業前のGoogleビジネスプロフィール予約」で整理しています。プランの書き方を整えたら、入口からの道すじもあわせて見直しておくと安心です。
05 SUMMARYまとめ
まずは、問い合わせでいちばん多い質問を1つ選び、その答えをプランの項目に書き移すところから始めましょう。
プランが伝わらないのは、宿の人の頭の中にある違いが、ページに書かれていないからです。同じ項目を同じ順番でそろえるだけで、お客様は自分で見比べて選べるようになります。
- 同じ質問が続くのは、プランの説明に足りない項目がある合図
- 伝わらない形は「食事があいまい」「特典と含むものが混ざる」「違いが見えない」の3つ
- 食事・特典・含むもの/含まないもの・キャンセル規定・時刻を、どのプランも同じ順番で書く
- まずは問い合わせの多い質問を1つ選び、プランの項目に書き移す
よくある質問
宿泊のキャンセル規定の書き方は?
「宿泊日の7日前から」「前日」「当日・連絡なし」のように日付で区切り、それぞれ宿泊料金に対してどのくらいかかるのかを並べると読み違いが起きにくくなります。AIスマート予約では、キャンセル規定はお客様への案内として表示するもので、予約の時点でお金を受け取る仕組みは無く、キャンセル料が自動で請求されることもありません。
素泊まりプランと食事付きプランは分けたほうがよいですか?
分けたほうが選びやすくなります。食事の要らない方は料金だけで決められ、食事を楽しみにしている方は献立や時間を見て決められるからです。プラン名の頭に「素泊まり」「夕食・朝食付き」と入れておくと、一覧の段階で見分けがつきます。
連泊のお客様には、どんな情報を足すとよいですか?
滞在中のお部屋の清掃やタオル交換をどうするか、途中で外出するときの鍵の扱いなど、1泊では気にならないことを書き足すと安心してもらえます。これは宿ごとの決め方なので、まずは連泊のお客様からよく聞かれることを書き出してみてください。
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