ダブルブッキングは、予約を書き留める場所を1つにし、1件にかかる時間と同時に受けられる数を決めると減らせます。重なりの多くは注意力ではなく受付の作りから起きるため、紙の台帳のままでも6つの決めごとで防ぎやすくなります。
手を止めて受けた電話の内容を、あとで台帳に書き写すつもりで忘れる。台帳に「14:00 山田様」とだけ書いてあり、終わる時刻が分からないので次を早めに入れてしまう。担当者を書いていないので、同じスタッフの同じ時間に2件並ぶ。どれも、気をつけていても起きる形です。
紙の台帳と電話だけでも今日から手を付けられる受付の決めごとを整理し、最後にAIスマート予約の設定で何ができるかをまとめます。
目次
ダブルブッキングはなぜ起きるのか|原因は「うっかり」ではなく受付の作り
起きた直後は「自分の確認不足だった」と感じます。ただ、何度も起きるなら、原因は人ではなく受付の作りです。よくあるのは次の4つです。
受け口が複数ある。電話、店頭での口約束、SNSのメッセージ。入ってくる道が分かれていると、どこかの1件が全体の予定表に載らないまま残ります。
書き留める場所が1つに決まっていない。手元のメモ、レジ横の紙、スマホのメモ帳に散ると、突き合わせの手間が増え、結局どれかが見落とされます。電話で受けたぶんだけ手が止まる事情は電話予約の対応で手が止まる負担を減らす方法でも触れています。
1件にかかる時間が決まっていない。施術や提供の時間に片付けや準備を足していないと、前の予約が終わる時刻を感覚で見積もることになります。甘く見た日は後ろが押して重なります。
「仮」の予約が残り続ける。折り返し待ちのまま台帳に書かれ、決まったのか分からない枠が増えていきます。
美容サロン・整骨院・飲食店で予約が重なるのはどんな場面?
業種によって、重なりが生まれる場所は少し違います。起きやすい場面として挙げます。
美容サロン(エステ・ネイル)
1件の施術が長く、カウンセリングや片付けの時間が台帳に書かれていない場面です。施術の終了時刻を基準に次を入れると、実際には後ろへずれ込みます。指名の多いスタッフに希望が集まり、担当者を書き忘れて2件受けることもあります。
整骨院・整体院
同じ時間帯に複数の方を受けられるため、「まだ入る」という感覚で受けてしまう場面です。ベッドや施術者の数の上限を紙に書いていないと、超えた時点で気づけません。予約の方と、その場で来られた方が重なることもあります。
飲食店
電話・店頭・ネットと受け口が多く、同じ時間帯の受け入れ可能な席数を超えてしまう場面です。宴会の問い合わせが「仮」のまま台帳に残り、その席を使う別の予約を受けてしまうこともあります。
業種が違っても、詰まるところは記録する場所と、時間・件数の決め方の2点です。
予約の重なりは3つの型に分けられます
「重なった」とひとことで言っても、中身は3つに分かれます。
| 重なりの型 | 起きやすい場面 | 先に決めること |
|---|---|---|
| ①同じお客様が二重に予約している | 電話で取ったあと、ご本人がネットからも入れてしまう | 同じ名前の予約を照らし合わせる場所を1つにする |
| ②別のお客様同士が同じ枠に入る | 同じ時間に受けられる数(席・ベッド・担当者)を超えて受ける | 同じ時間に受けられる数の上限と、担当者の割り当て |
| ③前の終わりと次の始まりが食い違う | 片付けや準備の時間を見ずに、次を早めに入れる | メニューごとの所要時間と、予約の間に置く準備時間 |
対処も型ごとに別です。①は記録の突き合わせ、②は上限の決め方、③は時間の刻み方で減らせます。自店でどの型が多いかを書き出すと、直す順番が決まります。
紙の台帳のままでも、重なりを防ぐ6つの決めごと
ここからは、紙とペンだけでも始められる決めごとです。順番に進めると、受付の抜け道が少しずつ塞がります。
1. 予約を書き留める場所を1つに決める
紙の台帳でも構いません。「予定はここだけを見る」という1か所を決め、どの受け口から入った予約も、その日のうちにそこへ書き写します。
2. メニューごとの所要時間と、片付けの時間を決める
「カット○分」ではなく「カット○分+片付け○分」まで書き出します。次の予約は、片付けが終わる時刻から受けるようにします。この一手間だけで、後ろが押して重なる型を減らせます。
3. 同じ時間に受けられる数を決める
席数・ベッド数・担当できる人数から、同じ時間帯に受けられる件数の上限を数字で書きます。上限を紙に書いておけば、忙しいときに感覚で判断せずに済みます。
4. 担当者を書く欄をつくる
スタッフが2人以上いる店では、時間と名前だけでは足りません。誰が付くかを書く欄を台帳に作り、空欄のまま受けないようにします。
5. 「仮」の扱いと、返事の期限を決める
折り返し待ちの予約は、確定と見分けられる印を付け、いつまでに決まらなければ枠を戻すかを決めておきます。宴会や複数名の相談で枠が塞がり続けることを避けられます。
6. 重なったときの連絡の順番を先に決めておく
それでも重なったときに慌てないよう、誰にどの順で連絡するか(先に受けた方を優先する、時間をずらせるメニューの方から相談する など)を決めておきます。連絡は早いほど選べる案が多くなります。なお、当日に来ていただけないキャンセルへの備えは予約のドタキャンを減らす5つの仕組みで扱っています。
3つの型は、AIスマート予約のどの設定に当たるか

上で決めた6つのことは、そのまま設定として持たせられます。ここからは3つの型の順に、どの設定が当たるのかを並べます。
①同じお客様の二重予約を防ぐ
手順1の「書き留める場所を1つに決める」に当たる部分です。予約はすべて一覧で確認・操作でき、状態は「承認待ち」「確定」「完了」「キャンセル」の4つに分かれます。どの予約も同じ一覧に並ぶので、メモと台帳を突き合わせる手間がなくなります。
そのうえで、同じ人が同じ時間帯に重ねて予約するのを防ぐ「重複予約ブロック」を設定できます。これは同じお客様の二重予約を防ぐ設定で、別のお客様同士の重なりを防ぐものではありません。電話のあとにご本人がチャットからも申し込む、という型だけを抑えます。
②同じ枠に入りすぎるのを防ぐ
手順3の「同じ時間に受けられる数」と、手順4の「担当者の欄」に当たる部分です。1枠あたりの最大予約数を設定できるので、同じ時間帯に受け入れられる件数を超えて予約が入らないようにできます。忙しいときに上限を思い出しながら受ける必要がなくなります。
担当者については、スタッフ指名と、スタッフごとの休暇の設定に対応し、勤務時間や特別営業日もスタッフごとに管理できます。指名の多いスタッフの同じ時間に2件並ぶことを防げます。ただしシフトを登録しないと予約を受け付けられないので、定期的な更新が必要です。
お客様が見る予約画面には、◎(余裕あり)△(残りわずか)×(満席)や「残りN枠」を表示できます(残枠の表示はオン/オフを選べます)。申し込む前に埋まり具合が伝わります。
③前の終わりと次の始まりの食い違いを防ぐ
手順2の「所要時間と片付けの時間」に当たる部分です。メニューごとに所要時間(分)を登録できるので、終わる時刻を毎回感覚で見積まずに済みます。さらに、予約と予約の間に準備時間(アイドリングタイム)を設定できます。片付けのぶんを毎回頭の中で足さなくても、次の予約が入る時刻が後ろにずれます。
このほか、営業時間、予約の時間の刻み、定休日(曜日指定)、臨時休業日も設定でき、そもそも受けられない時間に予約が入らないようにできます。
通知で気づき、前後を見て承認する
入った予約に気づくのが遅れると、予定の組み替えが間に合いません。新規予約が入ると、登録したメールアドレス(複数登録できます)に通知が届きます。通知設定でSMSを有効にし、通知先の電話番号を登録すると、新規予約の受付時にSMSが届きます(店舗への通知です)。
お客様からの予約は「リクエスト」として入り、店舗が承認すると確定します。承認されるまで、お客様の予約は確定していません。スマホからでも同じ操作ができるので、同じ日の前後の予約を見ながら承認できます。SMSには同じ日の前後の予約(最大3件)と、承認・却下のページへのリンク(24時間有効)が入ります。承認・却下・キャンセルは、予約の詳細画面から行います。承認すると、お客様に確定のお知らせが送られます。
AIチャットは、営業時間外や深夜でも、スタッフが対応しなくても予約を受け付けます。ただし予約できる枠は店舗の設定(営業時間・シフト・何日先まで受け付けるか・受付の締め切り)に従い、予約は店舗の承認で確定します。
重なりを減らす軸は「記録する場所」と「枠の決め方」の2つ
ダブルブッキングを減らす近道は、受け口を増やさないことではなく、受けた予約が同じ1か所に残るようにすること。そして、1件の所要時間と準備時間、同じ時間に受けられる数をあらかじめ数字で決めておくことです。どちらも紙の台帳から始められます。
設定として持たせたい段階に来たら、所要時間・準備時間・1枠あたりの最大予約数・スタッフのシフトを登録し、承認のうえで確定する流れにすると、毎回の判断を減らせます。まずは自店の重なりがどの型なのかを書き出すところから始めてみてください。
よくある質問
予約のダブルブッキングを防ぐには、何から決めればいいですか?
まず、予約を書き留める場所を1か所に決めます。そのうえで、メニューごとの所要時間と片付けの時間、同じ時間に受けられる件数の上限を決めておくと、重なりを減らせます。
電話と紙の台帳で予約を受けています。予約が重なるのを減らす方法はありますか?
どの受け口で受けた予約も、その日のうちに同じ台帳へ書き写すことから始めます。台帳に担当者の欄と「仮」の印を用意し、折り返し待ちの枠をいつ戻すかも決めておきます。
同じ時間に2件の予約を受けてしまったと気づいたら、どう対応すればいいですか?
気づいた時点で早めに連絡するほど、時間をずらす・担当を変えるといった案を選べます。誰にどの順で相談するかを平常時に決めておくと、当日の判断に迷いません。
AIスマート予約では、重なりを防ぐためにどんな設定ができますか?
メニューごとの所要時間、予約と予約の間の準備時間(アイドリングタイム)、1枠あたりの最大予約数、スタッフのシフトを設定できます。「重複予約ブロック」は、同じ人が同じ時間帯に重ねて予約するのを防ぐ設定です。30日間の無料トライアルがあり、期間中は全機能を使えます。
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